2/13/2012

石巻から来た人たちの音楽を聞きに行った

昨日、近くであった「ちだ原人Nuts」のライブに行きました。

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http://ameblo.jp/chidadanuts/


http://www.myspace.com/chidadanuts

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その名の通りの原人。私が自転車でライブ会場のバーのエントランス前に到着した瞬間、素肌にダウンジャケットを羽織った、小柄ながも身体の引き締まった男がこちらへ向かって歩いてくる。コレが私が彼に「お初にお目にかかった」瞬間の彼の姿である。挨拶を軽く交わした後、やはり目に付くのはその髪の毛。一部大きく塊が出来ている。30年髪を切ってないナチュラル・ドレッドは初めて見た(サーフィンで海入った後そのまま塩で固まってきたらしい(笑))!!!

そして彼らは宮城県石巻市出身で(確か・・・)仙台を拠点に全国で活動している(酔っていたので記憶を欠いてるため正確さも比例して欠いているので間違えがあるかも!謝!)。

ライブはハッピーオーラ満開で、「原人」という音楽家名を裏切らない皆で大合唱始まる「原始的」な祭りのような一体感が一貫して続いた。バーのオーナーが石巻市にボランティアに行ったときにネットで調べ物をしていて偶然知って興味を持ち、自分の店で演奏して頂くに至ったという。持った興味に熱意が後押しをして、もの凄い「速さ」で実現するという、前へ進むのも大変だと感じる今日この頃の自分までもが励まされる裏話である。

そして、ライブの後、皆で酒を酌み交わすとやはり話題は東日本大震災へと移った。

曰く…

ちだ原人さんは津波に流された。しかし運よくもどこかに引っ掛かり流されずに、建物の上にいた人がロープを投げて助けられたという。助けられた後、流されてゆく人を何人も目で見送るしかなかったことがトラウマだという。運のいい自分が助かったのだから、メンバーの皆は死んでると思ったとも言う。メンバーの一人が地震の後彼に最初に会った時、「車が走ってる!!!」と叫んでいたらしい。津波に呑み込まれて世界が終ったと思っていた直後の車が走っている光景を信じられなったのだろう。

その他にも、震災当時、仙台市内にいたG氏は公園に逃げたのだが、余震が続くたびに周囲のビルがしなり、その動きから逃げるように公園内にいた人だかりが一気に移動する。同じく手編みドレッドの彼は避難所へ移動するときに、路上生活者と間違われ弾かれないようにMacのコンピューターを携えたと笑っていう。

このように、彼らの態度は到ってフランクだった。

その他にも、被災したことを一つの万能な手形かのごとくに捉えて横柄になる人とそうでない人、仙台から沿岸の実家の様子を見に帰ることを恐怖心のため躊躇する人や武勇伝にする人、刺激を求めて好奇心で来るボランティアやそうでない人…。

このように全てをひっくるめて一つ一つは確かな現実であり、正解も間違いもないある意味本能的で必然的な感情であるかのように彼らは平然にに様々なことを語ってくれた。

そして、私はずっと立場を決められずにいた問題を聞いてみた。「瓦礫の受け入れ」問題だ。

私は、

「放射能の全国への拡散を防ぐためにはその放射能数値が基準値以下の瓦礫でも受け入れるべきではない」という立場と、

「神奈川県民としてを福島第一原発で作られた電気にお世話になっていたという事実を踏まえて、東北地方の負担軽減と復興を少しでも手助けるべく、基準値以下の瓦礫ならば受け入れはやむを得ない」という立場で悩んでいた。

そこでこの私にとって難しい二択問題をそのまま彼らに聞いてみた。

すると答えは簡単だった。

「瓦礫はさら地に集めてあるため実質的な都市復興の邪魔にはなってないので、放射能拡散のリスクを優先的に考えるべき」だと言っていた。

「瓦礫はさら地にあるから復興の邪魔にはなっていない」なんて、現地の人にしか分からないことだったので聞いてよかった。

その分、ボランティアによる瓦礫の市街地からの撤去には本当に感謝していた。

「一見は百聞にしかず」

私もネットのニュースに出来る範囲で目を通してはいるものの、やはり現実の複雑さの理解には日本にいても分からないものだと思った。

そして私も自分の現実がある。現実が何層に重なっていて、どこまでが「自分の現実」なのか分からない複雑な感じ。

どれだけ一生懸命想像して考えて理解しようとしても、物理的空間と距離が平然と存在する。

そして、ネットのニュースでは聞いたこともないことを聞いた。

福島県に近い宮城県よりも岩手県の方が放射能の値が高いらしい。どうも仙台以北にある女川原発(宮城県)か六ヶ所がどこか怪しいというのではないかという疑惑を持っているようだ。

もしこれが本当だったらと、内心、かなり吃驚しています。
これ以上に隠されているのかと思うと、何も信じられない。

そして、福島第一原発の事故処理には日給1 万円程度で大阪などからの日雇い労働者が充てられていると。しかし、東電は国から一人につき日給5万円程の助成金が充てられているので、最悪のビジネスを展開している。そして事故処理労働者の過労死が頻繁に噂されている etc etc

もうここには書ききれないことをたくさん聞いた。


パソコンを開かなければ平穏な生活が送れる首都圏にいる私。
何も影響力のあることは出来ないが、文学を少し勉強し勉強している私が今出来ることが、「人間は考える葦である」という名言から、「考えない人間は植物と一緒である」と言い換え、自分もちゃんと怠けずに考え、出来ることは行動しようということ。そして、その行動の一環として、誰が最後まで読むかもわからないブログを一生懸命書いてみた次第である。

かしこ

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