5/24/2011

いけにえ

今とっている仏文学授業ではジュール・ヴェルヌの『80日間世界一周』の簡単バージョンを読んでいます。

英国のジェントルマン、フィレアス・フォッグが言い出した、無謀な計画、80日間で世界一周をしてみると。時代は1872年。蒸気機関車、蒸気船の時代だ。

そして、現在、舞台はインド。

途中で切れていた鉄道を降り、象とガイドを見つけ、熱帯雨林のなかを通って、次の駅を目指しているとき、変な声が聞こえる。

儀式である。

人の列があり、一つの死体を運んでいる。その傍らには立っているのが精一杯の宝石で飾られた女性が連れられている。

どうやら死んだのは王子で、王子が死んだとき、姫も一緒に死ななくてはならないという風習があり、彼女は明日の朝、生きたまま火炙りされるそうだ。

一方、時は2011年初夏、横浜の日仏学院の南側の教室。節電が必至の今時分、冷房は効いておらず、涼しくもない送風のみ。ビルの6階のため、安全上、窓は開かない。

まだまだ5月であの暑さの教室内。

夏の授業はどうなるのだろう。

きっと節電で、夏も空調してくれないだろう。

我々は、7・8月、日の当たる教室で、生きながらに蒸されるだろう。

小説のなかのインドの女の人は、フィレアス・フォッグ一行に助けられた。

では私たちは?

ふふふ。

生きながらに蒸されてお肌の老廃物が全て出尽くすことを願うしかない。

アーメン

0 件のコメント:

weekly top 3